照明の光源   
 直接光が入ると濁りで光が乱反射し、まぶしさを感じる。したがって、照明器具は、露出させずシェード付きとし、光源が眼に直接入らないようにする必要がある。
 高めの照度
 玄関、脱衣室、浴室、トイレ、階段といった場所においては、比較的照度が低いために多くの事故が発生している。それらの場所を含めて照度を全体的に上げる必要がある。目安としては、通常低照度の場所には5倍の照度を、それ以外の場所では2〜3倍程度の照度があれば十分であろう。
 足元灯の設置     
 全体的に照度を上げても、場所によっては足元に影ができないよう、足元灯の設置が必要である。特に、階段と廊下には有効であり、その際足もと灯は階段位置を明確にする目印としても考えることができる。廊下においても、寝室あるいは居室からトイレへ続くところには設置を検討する。
 均一な明るさ     
 動線部分においては、均一の明るさが欲しい。というのも、明暗箇所ができてしまうと高齢者は、影部分を段差と見間違える恐れがあり、転倒の原因となる。
 便利機能付き照明
 高齢者は夕暮れ時でも億劫がったり、少しでも電気代を節約しようと考えて、なかなか照明のスイッチを付けないことがあるため、トイレや階段、廊下などには明るさ感知式の照明スイッチを用いるとよい。省エネ効果も期待できる。また、人がきたら自動点灯する人感センサ付き照明、停電時に照明器具が点灯する保安灯、それに薄明かりの点灯で常夜灯の働きをする照明器具なども有効である。
 ベッドライトの設置
 高齢者施設において、4人居室などの複数入居する部屋における照明は、各ベッドごとの天井照明はもちろんのこと、ベッドサイドにおける照明計画も有効である。昨今、プライバシーを重んじる施設が多く、複数人居室においても個室空間を醸し出すために間仕切り等にも工夫がされており、ベッドライト設置の検討が必要である。
 メンテナンス性     
 メンテナンス性、即ち取り替えやすさを考慮する必要がある。できるだけ長寿命の照明器具を選択し、電球の交換のしやすさでは、購入のしやすさはもとより、電球の形状・止め付け方などに加え、照明器具の高さにも配慮する。特に、階段・吹き抜けなどでは、取り替えやすい位置に照明器具を配置し、天井付けでは、無理な姿勢をとることが多いので、ブラケットなどの壁付け灯を検討する。
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