介護保険法施行に伴い福祉業界に市場原理が導入された今日、各施設は、高齢者という「顧客」の獲得競争を強いられ、さまざまな差別化をはかるべく各設備の充実を目指している。 
 設計者においては、高齢者住居施設の電気設備を設計する上で、最新技術の動向に目を向け、施主のニーズのもとスペックインすることは言うまでもないが、施設そのものの性格上、忘れてはならない重要なPointがある。それは、高齢者の特性を理解するということである。
 老化による体の変化や心の動き、それに生活リズムなど、高齢者の特性を理解することこそ、本当の“高齢者にやさしい”電気設備の設計ポイントであると思うのである。そういう意味でも、本稿で述べてきたことが、今後、高齢者施設の設計を行う上、改めて見つめ直す1つのきっかけになり、少しでもお役に立てる材料になれば幸いである。

参考文献
(1)「福祉住環境コーディネーター完全マスター」社会保険研究所
(2)「統合型介護支援システム【やすらぎ21J】パンフレット」アイティソリューションサービス<ITSS>

住友電設(株) 技術本部 技術部
〔クラタ アツオ〕